ママね、ついに手術したんだよ ぼくね、ちゃんとついて行って、ママを守ってあげたんだ
ぼくは、もう誰にも見えないから、自由にどこでも行けるんだ
病院の中だって、スーパーの中だって、どこでも入れるのさ

ぼくの変わり
みんなが話しかける
ママの手術は眼瞼下垂(がんけんかすい)と言って、まぶたが下がってきたの
だから、まぶたを上げる手術をしたの
原因は、ハードコンタクトを外す時に、まぶたを引っ張るため
あと、加齢でも下がってくる
もう4,5年まえから手術を勧められていたけど
ママったら、怖いからって、手術しなかったんだよ
ぼくには、もっと大きな手術をさせたのにね
ダメだよね

ぼくはちゃんと手術したのに

今さらだけど、八角形のお皿と水晶と盛り塩
そんな事しても、ぼくは戻らないんだよ、ママ
まず、手術の前に
紹介状とか言う物を持って、北里大学病院の眼科に行ったよ
2回も行って、目に病気が無いか
本当に眼瞼下垂か、他の病気ではないか
甲状腺の病気が無いか等、調べたよ
それから、偉い先生の所へ行って、手術していいかどうかお伺いを立てるの
なんだかんだ、脅かされて、手術してもいい事になったの
このお伺いにも何時間も待たされるんだ
朝、病院に行ってから、最初に呼ばれるまでに、4時間も待ったんだよ
それから、お伺いでしょ
北里の眼科の先生は、手術をするかどうか、自分で決められないのかな?
お伺いの次は、また最初の先生に呼ばれるまで、何時間も待つんだよ
それで、血液検査をして、この次、来てください、って言われたの
何時間も待ってるんだから、その間に血液検査出来ないの?
だから終わったのは、夜の6時過ぎだよ
疲れる病院だよ、ホントに病気になっちゃう
それで、最終的に手術をする先生の所へ行ったら
とても親切に、眼瞼下垂の手術は眼科でもやってるけど
二重まぶたとか、きれいに出来ないから、形成外科にやってもらいましょう
保険はちゃんと効くから大丈夫だよ
あっちの方が、そこのところ上手だから、と言われた
それはとってもありがたい話しだけど
手術が怖いママには、どっちでもいいから、早くやって~状態
なぜママが手術が怖いかと言うと
お目目の手術は見えてるからだよ
それとママは、保健体育の授業中よく気分が悪くなるタイプ
採血してる途中で倒れたこともあるんだよ
そんなんだから、手術の前日には、スーパーで気分が悪くなっちゃったの
それで、ぼくは心配だから、付き添って病院に行ったって訳なの
病院に着いたら、まず入院受付へ
そしたら、大部屋が空いて無くて、二人部屋です、って言われた、えっえっ!
しかも、一泊なのに入院費は2日分と言われ、ギョギョ!
え~、それじゃ入院しないで帰ったらダメですか?
ママは駄々をこねだした
あれっ、手術が怖いんじゃなくて、お金が無いの?
形成外科の受付で言って、と言われ
受付で言ったら、看護士さんに言って
看護士さんに言ったら、先生に言って
先生に言ったら、手術する先生に言って
動いてくれたのは、手術室にいた年配の看護士さん
権限有りそう
とりあえず、他の病棟で空いてないか調べてくれる事になって
どうしても無い場合は、二人部屋でもいいという事で、手術室に入った
ふ~、ママ、意外とちゃんとしてるじゃない
具合が悪いのはどこへ行ったの?
ぼくは、誰にも見えてないから、手術室の中まで行ったんだ
先生は、気を使って、メスとかはさみとか、医学的な事は一切言わない
ママも深呼吸しながら
マロも手術したんだから、大丈夫、大丈夫って、となえ続けてたよ
ママ、ぼくここに居るから、大丈夫だよ
手術は終わった
ママは手がしびれて、手には汗ビッショリ
起き上ってごらん、先生の言葉に
起き上れない
こういうのを、腰をぬかす、っていうのかな?

手術後、だいぶ弱ってる
これで帰る気でいたんだから
ママ、お疲れさま
マロちゃん、来てくれてたの、ありがとう
まだ帰らないで、入院した病室は驚きの病棟だったんだよ
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